先日、クレーンの復旧作業中に「手摺が汚れるから掴みたくない」という本音をブログに書いた。 だが、その「汚れ」の正体である粉塵について、私は本当の意味で理解していただろうか?
気になって、AI(Gemini)に鉄鋼現場における粉塵の有害性を詳しく聞いてみた。 返ってきた答えは、私の想像をはるかに超える、深刻なリスクの羅列だった。
1. 肺は一度壊れたら治らない
最も衝撃的だったのは「じん肺」のリスクだ。 目に見える大きな粉塵は鼻や喉で止まるが、本当に怖いのは目に見えない微細な粒子だという。それが肺の奥深くに蓄積し、年月をかけてゆっくりと肺を硬くしていく。一度繊維化した肺は、現代医学でも元には戻らない。「少し息苦しいな」と感じた時には、もう手遅れかもしれないのだ。
2. 「鉄粉」は牙を剥く
製鋼現場の粉塵には、鉄だけでなくマンガンやクロムといった金属が含まれる。これらは神経系や粘膜に悪影響を及ぼす。 さらに驚いたのは、粉塵が「火災や爆発」の直接的な原因になることだ。導電性を持つ鉄粉が電気盤に入ればショートを引き起こし、空気中に舞えば粉塵爆発のリスクを生む。先日の火災復旧の教訓を思えば、粉塵を放置することは、火種を放置することと同じなのだ。
3. 「汚れ」を避ける心理の代償
前回の私は「服や手が汚れる」ことを気にしていた。 しかし、AIとの対話を通じて、その「汚れ」を避けて手摺を掴まなかったり、息苦しいからとマスクをずらしたりする行為が、いかに命懸けの「賭け」であったかを痛感した。
服の汚れは洗濯で落ちる。手の汚れは石鹸で落ちる。 だが、肺に溜まった粉塵や、失った仲間との時間は、いくら洗っても戻ってこない。
リーダーとして、今思うこと
「マスクをしろ」「手摺を掴め」と言うのは簡単だ。 しかし、現場の人間がなぜそれを嫌がるのか。そこには「汚れ」や「息苦しさ」というリアルな心理的障壁がある。
私はリーダーとして、ただルールを押し付けるのではなく、この「粉塵の真の怖さ」を伝え続けていきたい。 そして私自身が、誰よりも真っ先に防塵マスクの紐をきつく締め、真っ黒な手摺をしっかりと握って、現場を歩く姿を見せていく。
それが、自分と、そして大切な仲間の未来を守ることに繋がると信じている。

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