私の職場は、世に言う「3K(きつい、汚い、危険)」が揃った現場です。
私は現在、製造業の保全現場でリーダーを務めています。 最近は働き方改革の影響もあり、残業時間は減って「きつい」の部分は多少緩和されてきました。しかし、現場特有の「危険」や「汚い」という状況は、長年変わることなくそこに根深く残っていました。
「現場なんて、こういうものだ」 心のどこかでそう諦め、日々の業務をこなす毎日。しかし、ある出来事が私の心に確かな変化をもたらしました。
5Sという言葉が「希望」に見えた日
きっかけは、会社で行われた研修会でした。テーマは「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」。
これまで何度も耳にしてきた言葉でしたが、その日の話を聞きながら、ふと思ったのです。 「5Sを本気で実践すれば、この『危険』で『汚い』現場を、もっと安全で快適な場所に変えられるんじゃないか?」
そこから、私は5Sに関する本を読み始めました。
運命の一冊:『トヨタ流5S最強のルール』
数ある本の中でも、私の視界を明るくしてくれたのが**『トヨタ流5S最強のルール』**という本でした。
この本は、ある書店を5Sの力で変えていくストーリー仕立ての内容です。整理整頓が徹底されることで、場所がきれいになるだけでなく、働く人たちが快適に、そして前向きに仕事に向き合えるようになっていく過程が描かれていました。
読み終えたとき、私は自分の職場を重ね合わせました。 「本の中の書店と同じように、私の現場も、働くのが楽しくなる場所にできるはずだ」
「トヨタ式」に見出した、理想の職場像
その後も、『トヨタ式仕事カイゼン術』や『トヨタ式5W1H思考』といった本を読み進めました。
それらの本を通して感じたのは、トヨタ式とは単なる効率化のテクニックではなく、**「働く環境を自分たちの手で良くしていくための思考法」**だということです。
トヨタ思考を取り入れることで、私の職場はもっと安全になり、働きがいのある場所になる。その可能性に、私は賭けてみたいと思いました。
ベテラン世代からの「未完成」な挑戦
私はこれまで長く現場でキャリアを積んできました。 リーダーとして、現状に甘んじるのではなく、この「トヨタ思考」を武器に現場を変えていきたい。そして、新しく学び始めた「AI」という新しい知恵も掛け合わせながら、一歩ずつ進んでいきたいと考えています。
もちろん、これは完成された成功物語ではありません。 失敗もすれば、迷うこともあるでしょう。
でも、あの本を読んで感じた「ワクワクするような現場の未来」を信じて、泥臭く、正直に記録を残していこうと思います。

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