仕事と家庭、この二つの現場を行き来する中で、ふと「職業病」を感じることはありませんか? 今回は、修学旅行から帰る息子と、部活終わりの娘を迎えに行ったある夜の話。家族のペースにやきもきしてしまう自分自身と、そこから見えた「トラブルを前提とした行動計画」の大切さについて綴ります。
「報告・連絡」の歯切れが悪くなる心理
今日は20時まで残業。現場のトラブル対応を終え、ようやく帰宅した夜のことです。 ちょうどその日は、4日間の修学旅行へ行っていた息子が帰ってくる日でした。
家に着くと、妻が電話で息子と話していました。どうやら待ち合わせ時間が予定より押している様子。 スピーカー越しに聞こえる息子の声は、どこかボソボソとして歯切れが悪い。「あー、うん…」と曖昧な返事ばかり。
おそらく周りに友達がいるのでしょう。カッコつけたいのか、恥ずかしいのか。 その状況は理解できるのですが、保全現場で緊急時にハッキリ状況報告をしてこない若手を見ている時のように、ついイライラしてしまいました。
「状況(Status)を正確に伝えないと、次の手が打てないだろう」
心の中でそうつぶやきつつ、これは家の話だと自分をなだめ、私は次の「現場」へ向かう準備を始めました。
待機時間のムダと、娘の生活サイクル
息子の帰宅を妻に任せ、私は娘のバスケのお迎え担当です。 食事をかきこみ、地元の体育館へ向かいました。
駐車場に着いたのは21時半頃。練習終了の時間は過ぎています。 しかし、娘が出てきたのは22時15分頃。
……遅い。あまりにも遅い。 現場なら45分の「チョコ停」どころか重大な稼働停止です。車の中で待機しながら、頭の中でついカイゼン案を回してしまいます。
これだけ遅くなれば、帰宅してからの食事、入浴もすべて後ろ倒しになります。 就寝時間が深夜1時を回るのも珍しくありません。成長期なのに、これでは「設備(身体)」のメンテナンス不足になりかねない。親としては心配が尽きません。
「最悪のケース」を想定して動くということ
もちろん、娘には娘の人生があり、自分のペースがあることは分かっています。 部活の後の片付けや、友達との会話という「付帯作業」が彼女にとっては重要なのかもしれません。
ただ、保全リーダーとして、そして親として思うことが一つあります。
「上手くいかない事を考えて、自分の行動に落とし込んで欲しい」
現場でも同じです。「部品が予定通り届かないかもしれない」「修理に予想以上の時間がかかるかもしれない」。 そういった**「ネガティブな想定(バッファ)」**をあらかじめ計画に組み込んでおけば、遅れたとしても致命傷にはなりません。
「全てが順調に進む」という前提(楽観バイアス)で動くから、一つ崩れた時にドミノ倒しのように生活リズムが崩壊し、睡眠不足という「故障」につながるのです。
娘のペースを尊重しつつも、この「リスク管理」の思考だけは、少しずつ伝えていければなと感じた夜でした。
今回の「トヨタ思考」的気づき
【「正常」ではなく「異常」を基準に段取りを組む】
トヨタ生産方式や保全の現場では、**「標準作業」が守れない時のことを常に考えます。 日常生活でも、「電車が遅れるかも」「話が長引くかも」という「不確定要素」**をあらかじめ想定(織り込み済み)にしておくことで、心に余裕が生まれ、結果的にパフォーマンスが安定します。 子供たちには、失敗しないことよりも、「失敗や遅延を織り込んでリカバリーする力」を身につけてほしいものです。
同じ現場リーダーのあなたへ
仕事モードのまま家に帰ると、家族の非効率さが気になってしまうこと、ありませんか? でも、家族は機械ではありませんよね(笑)。 「待つことも保全の一つ」と割り切りつつ、背中で段取りの大切さを伝えていきましょう。今日もお疲れ様でした。


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