人を責める姿を見て気づいた、私の中の「えげつない」感情〜リーダーの心模様も未完成〜

現場が大きなトラブルもなく穏やかに回っている日、ふとした瞬間に自分の「心の奥底」を見てしまうことがあります。今回は、他部署のリーダーの振る舞いをきっかけに、きれい事だけでは済まされない自分自身のドロドロとした感情に気づいてしまった日の記録です。完璧なリーダーなんていない。そんな未完成な自分との向き合い方を綴ります。

穏やかな日と、安全対策の打ち合わせ

今日は今晩の操業に向けた巡回点検がメインで、突発的な修繕もなく、現場は比較的穏やかな1日でした。こんな日は、普段後回しになりがちな課題に向き合うチャンスです。

以前、安全担当部署のパトロールで指摘を受けていた「保全エリア2F、予備品置き場の開口部」について、転落防止の対策を練る必要がありました。自分たちの部署だけでは解決できない部分もあったため、関係する他部署のAリーダーと打ち合わせを実施。現場で現物を見ながら話し合い、なんとか対策の方向性が見えてきました。

電話越しの叱責と、若手への思い

順調に打ち合わせが進んでいた矢先、Aリーダーの携帯が鳴りました。どうやら彼の部署の現場からのトラブル報告のようです。

聞こえてきたのは、現場での対応に不備があった新人スタッフを、一方的に責めたてるような言葉でした。電話越しに萎縮し、固苦しい環境で作業させられている新人の姿がありありと想像でき、私は胸が締め付けられるような、哀れな気持ちになりました。

同時に、Aリーダーに対して少し冷めた感情を抱いている自分もいました。「立場の弱い者を貶め、厳しく当たることでしか、リーダーとしての自分の価値や威厳を見出せないのだろうか」と。

他部署の「つまずき」に安堵する自分

しかし、ここからが今回の本当の気づきです。 Aリーダーのやり方を心の中で批判しながら、ふと自分の内面を覗き込んだとき、恐ろしい感情があることに気づいてしまったのです。

それは、「他の部署がトラブルで落ちていく(上手くいっていない)状態に、自分にとっての『安心感』を覚えている」という事実でした。自分のチームが相対的にマシに見えることへの安堵。ライバル部署が苦戦していることへの優越感。

新人を責めるAリーダーを反面教師として見ていたはずが、自分自身の中にも、決して人には言えない「えげつない部分」がしっかりと根を張っていたのです。きれい事だけでは生きられない現場のリアルとはいえ、自分の心の黒さに気づき、ひどく複雑な気持ちになりました。

今回の「トヨタ思考」的気づき

「異常の見える化」は、自分の心にも必要

トヨタ思考において問題解決の基本は、「人を責めるな、仕組みを責めよ」です。Aリーダーの新人に対する叱責は、ミスを起こした「人」を責めている状態であり、真因の追求からは遠ざかっています。

しかし、私の心の中にあった「他者のつまずきに安堵する心」もまた、会社全体の利益(全体最適)から見れば大きな「ムダ」であり、「異常」です。今回、自分の中のドロドロした感情を自覚できたこと自体が、自分の心の「異常を見える化」できた第一歩だと捉えることにしました。最初から聖人君子のような完璧な心を持てるわけではありません。まずは自分の黒い部分を認め、それでも「現場を良くするためにどう振る舞うべきか」を理理性で選択していくことが、リーダーとしての成長なのだと思います。

読者(同じ現場リーダー)への一言

日々現場で戦っている皆さんも、ふと自分の中の「黒い感情」に気づいて自己嫌悪に陥ることはありませんか? 私たちは完璧な人間ではありません。未完成で、えげつない部分も持ち合わせているからこそ、仕組みに頼り、チームで補い合う必要があるのだと思います。明日は今日より少しだけ、自分の心も現場も、あるべき姿に近づけられるよう一緒に頑張りましょう。

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