「異常なし」と言われても消えない不安。病院で気づいた、保全マンに足りない「ひとこと」

自身の体調不良で病院にかかった際、医師の「効率的だが説明不足」な対応に不安を覚えました。その経験から、私たち保全マンが設備を修理した際、オペレーターさんにどう伝えるべきか、信頼関係を築くための「説明の品質」について考えます。


突然の早退と、効率的な診察

実は今日、午後から会社を早退させてもらいました。 3日前から背中の痛みが続いていたのですが、今日の午前中になって痛みが右腕にまで広がり、「これはマズいかもしれない」と不安に襲われたからです。

午後の受付時間に合わせ、隣町の病院へ駆け込みました。 担当してくれた先生は非常にテキパキとしていて、待ち時間も少なく、最初は「効率的でいい病院だな」と感じていました。

しかし、診察が進むにつれて少し違和感を覚え始めました。 先生は私の顔や様子をじっくり見るというよりは、症状の型に当てはめていくような、どこかマニュアル的な対応に見えたのです。

「画像」は正常でも、「心」は晴れない

CTやMRIの検査を受け、再び診察室へ。 先生はモニターに映し出された画像を眺めながら、「それほど悪くはないですねえ」と一言。

専門家である先生の目には、その画像が「安全」である証拠が映っているのでしょう。 しかし、素人である私には、白黒の画像のどこを見てそう判断したのか全く分かりません。「本当に大丈夫なのか?」「この痛みは何なのか?」という不安は、その一言だけでは解消されませんでした。

もっと詳しく説明してほしかった。 「ここの骨の間隔がこれだけあるから大丈夫ですよ」とか「この影は筋肉の炎症だから、数日で引きますよ」とか、私の不安に寄り添った言葉が欲しかったのです。

保全マンとして、同じことをしていなかったか?

病院からの帰り道、ふと現場の風景が頭に浮かびました。 これ、私たち保全マンもよくやってしまっていることではないでしょうか。

設備トラブルの呼び出しを受け、現場に急行する。 原因を突き止め、部品を交換し、試運転をしてデータを確認する。 数値は正常。振動も収まった。 そして、待っていたオペレーターさんにこう言うのです。

「直りました。もう大丈夫ですよ」

私たちにとっては「論理的な完了」ですが、トラブルで驚き、生産遅れを心配しているオペレーターさんにとっては、それだけでは「心理的な完了」になっていないのかもしれません。

「どこが悪くて、どう直したのか」 「なぜ、もう再発しないと言えるのか」

専門知識がない相手だからこそ、相手が安心できる「翻訳」をして伝えること。 それができて初めて、本当の意味での「保全完了」と言えるのだと、自分自身の痛みを通じて痛感させられました。


今回の「トヨタ思考」的気づき

【自工程完結と次工程はお客様】

トヨタ生産方式には「次工程はお客様」という考え方があります。保全にとっての「次工程」は、その設備を使って生産をするオペレーターさんです。

単に設備が動く状態にする(機能的品質)だけでなく、**「安心して使える状態にする(心理的品質)」**までを含めて、私たちの仕事(工程)だと再定義する必要があります。

  • Bad: 「センサー交換しました。動きます」
  • Good: 「センサーの位置がズレて誤検知していたので、固定ボルトを増し締めして調整しました。これで同じエラーは出ませんから、安心して回してください」

この一言があるかないかで、現場の信頼関係は大きく変わります。

同志である現場リーダーへ

忙しいトラブル対応の直後こそ、一呼吸置いて「相手への説明」に時間を使ってみませんか? 「直ったからOK」ではなく、「相手が安心したからOK」。 明日はそんな意識で、オペレーターさんに声をかけてみようと思います。

(まずは自分の背中をしっかり治してから、ですが……苦笑)

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