病院の待合室で「リードタイム」を考える〜3時間の苦痛と、特効薬だった妻の料理〜

雪がちらつく寒い日でした。 前日から38度の熱が出てしまい、インフルエンザかコロナを疑って、朝一番で近所の総合病院へ向かいました。

体調は最悪。さらに持病の頸椎椎間板ヘルニアが首を締め付けます。 しかし、そんな状態でも頭のどこかで「現場のカイゼン視点」が働いてしまうのは、悲しいかな保全リーダーの職業病かもしれません。

今回は、高熱の中で体験した「待ち時間のムダ」と、最新クリニックの「DX」、そして最後に私を救ってくれた「ある特効薬」についての記録です。

3時間のリードタイムと「停滞のムダ」

受付を済ませた私は、感染対策のパーテーションで仕切られた廊下の椅子に通されました。ここからが長かった。

終わってみれば、病院を出るまでに約3時間。 工程を分解すると、以下の4ステップになります。

  1. ヒアリング(問診)
  2. 検査(検体採取)
  3. 医師による診察
  4. 会計・薬の受け取り

それぞれの工程間にある「待ち時間(停滞)」があまりにも長いのです。特に、診察が終わってから会計に呼ばれるまでのリードタイムは、体感で1時間はあったように感じました。

固いパイプ椅子に3時間座りっぱなしというのは、ヘルニア持ちにとっては拷問に近い環境です。「なぜここで時間がかかるのか?」「ボトルネックはどこだ?」と、痛みと戦いながら頭の中で工程分析をしていました。

整形外科の「段取り」と「整流化」

ふと、最近通った別の整形外科クリニックのことを思い出しました。 そこは、驚くほど処理がスムーズで、待ち時間がほとんど発生しません。

その違いは明らかに**「IT活用による段取りの標準化」**にありました。

  • 見える化: ホームページが整備され、Googleカレンダーで医師の担当表が開示されている。
  • フロントローディング: 問診票を事前にWebで作成・送信できる。
  • デジタル化: 現地でもタブレット入力で、データが即座に共有される。

事務処理という「付帯作業」をITで極限まで効率化し、医師や看護師が「正味作業(診察や処置)」に集中できる環境が整っていました。まさに、情報の整流化ができている現場です。

それに引き換え、今日の現場(病院)はどうでしょう。アナログな連携、紙の伝票、人を介するほど発生する待ち時間。 「ああ、自分の現場もこうなっていないか?」と、寒気の中で自問自答していました。

最高の回復食は「標準化」できない

結局、検査結果は陰性。疲れからくる風邪だろうとの診断でした。 しかし、病院から帰っても頭痛は収まらず、一日中辛い思いをしました。

そんな私が劇的に回復したのは、夜のことです。 妻が作ってくれた夕食を食べた瞬間でした。

  • 味噌汁
  • ご飯
  • 野菜炒め
  • 唐揚げ
  • トマトとキュウリ

なんてことのない、いつものメニューです。 でも、その温かい味噌汁を一口飲んだとき、タブレットや効率化システムでは決して埋められない「何か」が満たされるのを感じました。

不思議なものです。あれだけ効率の悪さにイライラしていたのに、妻の手作りの夕食という、ある意味一番手間のかかる「アナログな工程」が、私にとっては一番の特効薬だったのですから。

今日の「トヨタ思考」的気づき

今回の体験で、2つの視点を再確認しました。

  1. 仕組みのムダ取り: 事務的なプロセスや情報の伝達は、徹底的にIT化・標準化してリードタイムを縮めるべき。(整形外科の例)
  2. 人の温かみ: どれだけDXが進んでも、相手を想う「手作業」や「気遣い」こそが、最終的な満足度や活力(回復)につながる。(妻の料理の例)

現場改善も同じかもしれません。 段取りや報告はデジタルでサクサク終わらせる。でも、トラブルで凹んでいる部下への声かけや、悩み相談といった「人対人」の時間は、効率を度外視してでも確保する。

「冷たいシステム」と「温かいコミュニケーション」。 このバランスこそが、強い現場を作る鍵なのだと、熱っぽい頭で噛み締めました。

同志である現場リーダーへ

皆さんの現場では、書類作成や承認待ちで「部下の待ち時間」を作っていませんか? まずはそこをカイゼンしましょう。そして浮いた時間は、ぜひメンバーと向き合う(あるいは家族と過ごす)温かい時間に使ってください。

妻には感謝しつつ、明日は元気に出社したいと思います。 皆さんも、体調管理にはくれぐれもご安全に。

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