首のヘルニアが教えてくれたこと。焦りと痛みの先に見つけた「ひとりでやらない」という選択

工場が静かだと、保全屋としてはホッとする反面、リーダーとしては「会社の未来」が気がかりになります。そんな複雑な心境の中、さらに私を襲ったのは最悪の体調不良でした。 「時間がある今こそ、現場を良くしたい」という焦りと、「体がついていかない」という現実。その狭間で揺れ動く中で見えてきた、リーダーとしての一つの「未完成な決意」について書き留めておきます。

静まり返る現場と、募る危機感

今日は後輩のAさんと二人で昼勤を担当しました。 先日の設備トラブルの影響で、現在ラインの稼働は週の半分程度に制限されています。当然、現場からの呼び出しや工場依頼も少なく、保全担当としては穏やかな一日でした。

しかし、現場が静かであることは、決して喜ばしいことばかりではありません。 稼働が減れば、会社の利益が減る。それは巡り巡って、私たち従業員の給与や雇用にも影響を及ぼします。「楽でいいな」と笑っていられるのは今だけで、水面下では危機感がひたひたと足元を濡らしているような感覚です。

「やりたいこと」と「できない体」のジレンマ

「本稼働に戻ったとき、最高の状態でロケットスタートを切りたい」 そんな思いから、余裕がある今のうちに予備品の整理や、古くなった図面の管理など、普段後回しにしている「3S(整理・整頓・清掃)」を一気に進めようと考えました。

しかし、私の体はそれを許してくれませんでした。 持病の首のヘルニアが悪化し、体調は最悪の状態。痛み止めを飲んでも、デスクに向かうだけで脂汗が出る始末です。集中力を持続させるのがやっとで、目の前の書類を整理したいのに、頭も体も追いつかない。

「せっかく時間があるのに、何も進められない」 自分への情けなさと、もどかしさで押しつぶされそうになりました。

脳内の「3S」から始めよう

痛みの中でふと、こう思いました。 「そもそも、これを全部『私』がやる必要があるのだろうか?」と。

これまでは、「自分が把握しておきたいから」「指示するより早いから」と、整理整頓や仕組みづくりを抱え込んでいました。でも、今の私にはそれができません。 できないからこそ、周りに頼るしかない。いや、周りにうまく伝えて、みんなで3Sを進められる仕組みを作れば、私が倒れていても現場は良くなっていくはずです。

今の正直な現状は、やるべきことが山積みで、何から手を付ければいいか分からない「未完成」な状態です。 でも、まずはこの混乱した頭の中を整理すること。自分の脳内を「3S」して、誰に何をお願いすればいいかを書き出すこと。そこから始めてみようと思います。

今回の「トヨタ思考」的気づき

【ムリ(Overburden)の排除と標準化】

トヨタ生産方式で言う「ムリ」は、設備や人に対して能力以上の負荷をかけることを指します。今回、私自身が痛感したのは、リーダーである自分自身に「ムリ」を強いていたことです。 リーダーの体調や能力に依存した現場管理は、もっともリスクの高い「属人化」です。 「自分ができない」状況は、逆説的に「誰でもできるようにする(標準化)」ための絶好のチャンス。私が手を動かすのではなく、**「私がいなくても、予備品や図面が管理される状態」**をどう作るか。その思考に切り替えることが、真の改善への第一歩だと気づきました。

読者への一言

責任感の強いリーダーほど、体が辛い時でも「自分がなんとかしなきゃ」と頑張ってしまいがちです。でも、時にはその「できない自分」を認めて、周りに甘えることも立派な戦略です。あなたのその痛みや焦りは、きっとチームを育てるための「改善の種」になりますよ。ご自愛ください。

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