システムはある、でも使えない?予備品のブラックボックス化に挑む「玉突き」整理術

現場の至る所に鎮座する「いつか使うかもしれない」予備品たち。皆さんの現場にも、心当たりはありませんか?今回は、スペースが限界に達した予備品置き場と向き合い、メンバーたちと共に進めている3S(整理・整頓・清掃)の現在地と、そこでの気づきをありのままに綴ります。立派なシステムと現場のリアルなギャップ、まだ完璧には程遠いですが、これが私たちの第一歩です。

システムはある、でも「どこで使うか」が分からないジレンマ

現在、私たちの現場では、モーターやブレーキ、パワーシリンダーといった大型の予備品を、保全エリアや別の大型ヤードに保管しています。しかし、すでに置き場はパンパン。本来置くべきではない事務所側のスペースまで無理を言って借りている、心苦しい状況が続いていました。

実は、社内には「貯蔵品管理システム」が存在し、現有している予備品の機器名や型式、仕様といった基本情報は登録されています。しかし、ここに大きな落とし穴がありました。「どこの設備で使用している部品なのか」という、現場にとって最も重要な情報が紐づいていないデータが多かったのです。その結果、「今も稼働している設備のもの」なのか「すでに廃止された設備のもの」なのかが誰にも分からず、システム自体が半ばブラックボックス化していました。

膨大な種類の中から、まずは「モーター」に絞る

モーター、ブレーキ、ブレーキドラム、ロードセル、パワーシリンダー、エアコン部品にケーブル……。対象となる予備品の種類はあまりにも膨大です。これを一気に紐付けようとすれば、現場は混乱し、必ず途中で息切れしてしまいます。

そこで今回、若手メンバーのAさんにお願いして、まずは「モーター」だけにターゲットを絞り、使用設備を一つひとつ調べてリストへ入力(システム情報の整備)してもらうことにしました。地道な作業ですが、この情報の整理こそが、物理的な「要・不要」を判断するための第一歩になります。

スペース捻出の「玉突き」大作戦と、任せる勇気

情報整理と同時に、今すぐできる物理的なスペース確保として「ケーブル置き場の見直し」を指示しました。そこには、使うかどうかも分からないかなり古いケーブルが大量に眠っていました。いずれは廃却する予定ですが、即座に処分できない事情もあるため、まずはそれらを一か所に「寄せて」集約することに。

これで空いたスペースに、今度は別の場所にあった大型の水冷ケーブルを移動させます。すると、その水冷ケーブルが元々あった場所がぽっかりと空き、そこを新たな「予備品置き場」として有効活用できるという算段です。まさに玉突き方式のスペース捻出作戦です。

明日は私が半休を取るため、午後の現場にはいません。そのため、この玉突き移動作業はAさんと、交代勤務のBさんの2人に任せることにしました。以前の私なら、気になって自分で直接手を動かしてしまっていたかもしれません。しかし、目的と手順を伝え、実行を彼らに託すことで、チーム全体で3Sを進める意識が育っていくと信じています。

今回の「トヨタ思考」的気づき

【「整理」の第一歩は、現状を正しく知ることから】 トヨタ生産方式における「整理」とは、単に綺麗に並べることではなく「要るものと要らないものを分け、要らないものを捨てる」ことです。しかし、今回のように「システム上は登録されていても、使い道が分からない」状態では、捨てる判断すらできません。いきなり完璧を目指さず、「まずはモーターだけ」と対象を絞って小さく始めたこと、そして「寄せて集める」ことで一時的なスペースを確保する「泥臭い一手」も、現場改善には必要不可欠だと感じています。

読者(同じ現場リーダー)への一言

皆さんの現場にも、「システムにはあるけれど、誰がどこで使うか分からない謎の予備品」が眠っていませんか?一気に片付けようとすると挫折しがちですが、まずは「特定の部品だけ」と絞って、メンバーと一緒に紐付け作業を始めてみてはいかがでしょうか。小さな「見える化」が、やがて大きなスペースを生み出すはずです!

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