夜勤のトラブル呼び出し対応、本当に疲れますよね。
皆さんの現場でも、疲労が溜まっている時に限ってトラブルが起きませんか?
しかも現場が高所だと、道具を取りに往復するだけで体力が削られます。
「早く原因を見つけて、さっさと終わらせたい。」
今回は、そんな焦りと疲労が招いた、私の泥臭い失敗と気づきの記録です。
電気と機械の切り分けに悩む若手保全マンの皆さんに、ぜひ読んでほしい事例です。
ブレーキが途中で閉まる?危険な状態での原因調査
ある大型クレーンで、主巻ブレーキの故障が発生しました。
「ブレーキは開くものの、途中で閉まってしまう」という不安定な挙動です。
特定の操作時には、ブレーキを引きずったままドラムが回り続ける危険な状態でした。
一歩間違えれば重大な事故に直結する、現場がヒヤリとする事象です。
まずは安全を最優先とし、制限をかけて運用しながら原因調査を開始しました。
事前の調査で、ブレーキコイルの抵抗値が異常に低いことが判明。
通常なら5Ω程度あるはずが、1.2Ωしかありません。
「原因はこれだ!コイル不良だ。交換すればすぐに直る!」
私は明確なエラーを見つけたことに安堵し、すぐさま交換作業へと取り掛かりました。
明らかな異常に飛びついた代償と、見落とされた違和感
しかし、この「明らかな異常」こそが、私を思考停止に陥れる巧妙な罠でした。
今回の現場は非常に高い位置にあり、上り下りするだけでも一苦労。
夜勤の呼び出し対応による疲労もピークに達し、思考力は確実に落ちていました。
「早くこの作業を終わらせて、一息つきたい。」
その心理が、他の可能性を探る視野を極端に狭めていたのです。
実はコイル交換中、ブレーキのギャップが規定値を超えて開いていることには気づいていました。
でも、「ライニング(摩擦材)が摩耗していて、調整シロがなかったらどうしよう。」
「大掛かりな機械調整になったら、さらに時間がかかって面倒なことになる。」
そんな現実逃避から、機械的な違和感をあえて後回しにしてしまったのです。
徒労感の先に見えた真因と、電気・機械の複合トラブル
重いコイルを必死に交換し、祈るような気持ちで試運転を実施しました。
しかし、無情にも症状は全く改善しませんでした。
あの時の絶望感と、「やっぱりギャップのほうだったか」という後悔は忘れられません。
結局、目を逸らしていた機械的なギャップ調整にしっかり向き合うことにしました。
ギャップが過大だったため、開放力よりもバネの復元力が勝ってしまい、途中で閉じていたのが真因でした。
ギャップを適正な位置に調整し直すと、ブレーキは嘘のように正常に動作したのです。
今回のトラブルは、電気的異常と機械的異常の複合的な問題でした。
「コイル不良」という分かりやすい答えに飛びつき、都合の悪い現実から逃げた私の敗北です。
💡 読者の現場でも使える!今日の「保全の現場知恵袋」
- 単一原因に決めつけない:「症状ベース」で複数の仮説を立てる癖をつける。
- 電気と機械の両面を疑う:明確な電気エラーが出ても、必ず機械的な動き(ギャップなど)もセットで確認する。
- 過去の事例をチームで共有する:ブレーキ異常時の「典型パターン」を現場で話し合い、トラブルシューティングの引き出しを増やす。
🔧 現場の同志たちへ
疲れている時ほど、「分かりやすい異常」は甘い罠になります。遠回りに見えても、電気と機械の両方をしっかり確認することが、結果的に一番早く帰れる近道ですね。今日も一日、安全第一で頑張りましょう!

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