「聞いたつもり」が一番怖い。工事エリア重複から学んだ、現場イメージの解像度。

今日は、現場リーダーとして冷や汗をかくような失敗をしてしまいました。 段取り八分と言いますが、その段取りの詰めが甘く、他部署に迷惑をかけてしまったのです。 「会議で報告したから大丈夫」という思い込みと、自分の専門外の工事に対する意識の低さ。 今日の失敗と、そこから得た「想像力」の教訓について、自戒を込めて書き残します。

朝一番のトラブルと、同僚への感謝

今日は私が担当する、あるエリアの排水設備(縦樋)の修繕工事を行う予定の日でした。 協力会社の方々と共に現場に入り、「さあ、始めよう」とした矢先のことです。

なんと、全く同じエリアで機械保全チームが別の工事を始めようとしていました。 現場は狭く、重機や高所作業車が錯綜するため、同時に作業を進めることは物理的に不可能です。どちらかが中止しなければならない、最悪の事態です。

「工程会議で言ったはずなのに……」 一瞬、頭の中にそんな言葉がよぎりましたが、それは相手も同じだったはずです。事実、お互いの作業エリアが完全に被っていることに、当日まで誰も気づいていませんでした。

結果として、今回は機械保全のリーダーが「うちは予備日があるから」と快く譲ってくれました。彼の配慮には感謝しかありませんが、もし工期がカツカツだったらと思うと、ぞっとします。

「専門外」という無意識の甘え

なぜ、週始めの工程会議ですり合わせができなかったのか。 落ち着いて振り返ると、私の中に「慢心」とも言える甘えがあったことに気づきました。

私は電気保全が専門です。今回の工事は建屋付帯設備の修繕であり、言わば「管工事・土木」の領域。心のどこかで**「これは自分のメインの仕事ではない」「まあ、業者がうまくやってくれるだろう」**という他人事のような感覚があったのです。

だから、会議で他の工事案件の話が出ても、 「ああ、機械さんはあそこでやるのね(ふーん)」 と、ただの「音」として聞いてしまっていました。

もしこれが、自分がこだわり抜いている電気設備の更新工事だったらどうだったでしょう? 「盤の前にスペースは空いているか?」「ケーブル敷設ルートに干渉物はないか?」と、血眼になって図面と現場を照らし合わせていたはずです。

聞くのではなく、「脳内で現場を歩く」

今回の失敗で痛感したのは、「情報をただ聞くこと」と「自分のイメージに落とし込んで確認すること」の雲泥の差です。

会議室で「Aエリアで工事します」と聞いた時、ただメモを取るだけでは不十分でした。 「Aエリアのどの位置に、どんな機材が入って、作業員がどこに立つのか?」 そこまで脳内でシミュレーション(現場のイメージ化)ができていれば、「あれ? それだと自分の工事とぶつかるぞ」と気づけたはずです。

専門外の工事だからこそ、より意識的に「想像力の解像度」を上げなければならない。 同僚に譲ってもらったこの時間を使って、改めて深く反省しました。

今回の「トヨタ思考」的気づき

トヨタ生産方式などで言われる「現地現物」は、トラブルが起きた時だけのものではありません。 計画段階において**「頭の中で現地現物を行うこと」**もまた、リーダーに求められる重要なスキルです。 「なにげなく聞く」のではなく、自分の脳内スクリーンに現場の映像を投影し、作業員を動かしてみる。そこで初めて、物理的な干渉(ムリ・ムダ)が見えてきます。 デジタルツインなどの言葉が流行っていますが、まずは私たちのアナログな脳内で、しっかり現場を再現する癖をつけたいと思います。

読者への一言

みなさんは、自分の専門外の工事や作業について、どれくらい詳細にイメージできていますか? 「専門外だから」と気を抜いた瞬間に、トラブルの種は落ちています。明日は我が身、ぜひ私の失敗を他山の石としてください。

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