無料の魅力と「安全」の天秤。話題のAI『DeepSeek』を試して感じた、ツールの選び方

世の中はAIの話題で持ちきりですが、現場を預かる身としては「本当に仕事で使えるのか?」「リスクはないのか?」を自分の目と手で確かめないと気が済みません。 3連休の最終日、以前から気になっていた中国発のAI『DeepSeek』を検証してみました。そこで見えたのは、性能の高さと同時に、私たちが道具を選ぶ上で決して譲れない「ある基準」でした。

思考が見える面白さと、音声入力の可能性

検証用として、あえてメイン機ではなく古いスマートフォンにアプリをダウンロードしました。現場でも、未知の設備を導入する際はテスト環境を作りますよね。それと同じ感覚です。

触ってみて最初に驚いたのは、「思考のプロセス(Chain of Thought)」が表示される点です。AIがどうやって答えを導き出したのか、その計算過程や論理展開が可視化されているのです。これは、私たち保全マンがトラブルシューティングをする際、「なぜその結論に至ったか」というプロセスを重視するのと似ていて、非常に興味深く感じました。

音声会話モードこそありませんでしたが、音声入力でのチャットはスムーズ。現場でのわからない事をサクッと確認する用途として使えそうな感触がありました。

「回答の偏り」に見る、ツールの背景

しかし、検証を進める中で、少し気になる点が出てきました。 あえてセンシティブな話題(国際情勢に関する質問)を投げてみたところ、返ってきた答えには明確な「偏り」が含まれていました。一般的な中立的視点というよりは、開発元の国の方針を色濃く反映した解釈がなされていたのです。

技術的な質問や日常会話であれば、非常に高性能で正確なフィードバックが返ってきます。無料でこれだけの性能が出せるのは、正直驚異的です。しかし、この「偏り」を目の当たりにした瞬間、私の頭の中で黄色いランプが点灯しました。

コストよりも優先すべき「安心」という性能

現場で使う測定器や工具を選ぶ時、私たちは何を基準にするでしょうか。 「安くて高性能」は魅力的です。しかし、もしその測定器が、特定の条件下で誤った値を出す可能性があったり、データの扱いそのものに不安があったりすれば、現場には導入しません。なぜなら、一つのミスが命取りになるからです。

今回の検証で、私は改めて「有料であっても、信頼できるツールを使うべきだ」という結論に至りました。ChatGPTやGeminiにお金を払うのは、単に機能を買っているのではなく、「データの安全性」や「中立性」という安心を買っているのだと気づいたのです。

今日の「トヨタ思考」的気づき

【品質は工程で作み込め(道具選びも品質のうち)】

トヨタ生産方式では、後工程に不良を流さないことが鉄則です。情報収集や業務効率化において、AIは私たちの「道具」です。その道具自体に不安要素(バイアスやセキュリティリスク)があれば、そこから生まれる成果物の品質も保証できません。

「タダより高いものはない」という言葉がありますが、現場リーダーとしては、目先のコスト削減よりも、長期的な信頼性と安全性を選択する眼力を持ち続けたいものです。

読者(現場リーダー)のみなさんへ

新しい技術やツール、皆さんも色々と試されていると思います。「便利そうだけど、現場導入は迷うな」と感じた経験、ありませんか? ぜひコメントで教えてください。

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