棚卸しをするたびに、帳簿と現物が合わない。
そんな経験、あなたの現場でもありませんか?
私の現場では、貯蔵品の棚卸し後の整理を進める中で、「物はあるのに帳簿に登録されていない」ケースが約250件も見つかりました。
一気に250件と聞くと驚かれるかもしれません。
でも実態は、「今回突然起きた問題」ではありませんでした。
長年にわたって積み残されてきた課題が、今回はじめて表面化しただけだったのです。
この記事では、なぜ帳簿と現物のズレが生まれるのか、その構造と、現場で今日から始められる小さな改善をお伝えします。
帳簿と現物が合わない…棚卸しのたびに感じる「あの違和感」
担当している貯蔵品は約4,500点。
センサー、リレー、インバータ、ケーブル類など、種類も形状もバラバラな備品が、複数の置き場に分散して管理されています。
今回の全品棚卸しで浮かび上がったのが、「物はあるのに帳簿に無い」という状態でした。
実物確認のために棚の前に立つと、数百点単位で物品が置かれています。
その中から目的の物を探す作業は、想像以上に時間がかかりました。
「探すこと自体がムダになっている」
午前中の作業を終えた時、そんな強い実感がありました。
現場として本来あるべき姿は、「物があるかどうか」ではなく、「すぐに見つかる状態」であることだと、改めて痛感した瞬間でした。
なぜ250件もの食い違いが生まれたのか――積み残しの構造
原因を整理すると、大きく2つありました。
原因①:「無い」と判断する精度の問題
12月に実施した抜き打ちの棚卸しで、特定の備品が見つかりませんでした。
「見つからなかった=無い」と判断し、帳簿から払い出してしまったのです。
ところが3月の全品棚卸しで、その備品が実際には存在していたことが判明しました。
4,500点という膨大な品数の中では、抜き打ち棚卸しで「確実にここにある」と言い切れる状態にはなっていなかったのです。
原因②:長年の「積み残し」が一気に表面化した
実はこれが今回の本質的な問題でした。
過去の棚卸しでも、「帳簿に無いのに物がある」ケースは見つかっていました。
しかし、それに対して何のアクションも取ってこなかったのです。
今回、はじめてその積み残しを処理しようとしたことで、250件という膨大な食い違いが一気に表面化しました。
問題は「今回起きた」のではなく、「ずっと見て見ぬふりをしてきた」結果だったのです。
現場あるあるだと思いますが、目の前の作業に追われると、「後でやろう」が積み重なっていきます。
その積み残しは、いつか必ずしっぺ返しをくらう。
今回はそれを、数字で突きつけられた気がしました。
解決への糸口――「確実にここにある」状態をどうつくるか
正直に言うと、まだ完全な解決策は見えていません。
ただ、ゴールのイメージははっきりしています。
「この備品は確実にここにある。ここになければ絶対にない」
そう言い切れる状態をつくること。
貯蔵品の帳簿と現物が合わない問題の根本は、「置き場が曖昧」「カードの運用がルール化されていない」という2点にあると気づきました。
RFIDというタグで物品を識別・管理する技術の話も出ましたが、現状のカード管理と併用すると運用が複雑になる懸念もあります。
まずはシンプルな管理の仕組みをしっかり構築することが先決だと判断しました。
💡 読者の現場でも使える!今日の「在庫管理改善」
今回の経験から、今日から始められるアクションを3つまとめます。
- 置き場の一致から手をつける まず動きの多い場所から優先的に、帳簿上の置き場と現物の場所を一致させる。全部一度にやろうとせず、10か所など範囲を決めて確実に進める。
- 備品の種類ごとに置き場を固定する センサーはA室、リレー・マグネットはB室、インバータはC室、というように種類別に置き場を決める。「探さなくていい状態」をルールでつくる。
- カード管理のルールを見直す 備品にテープや紐でカードを取り付けると、はがれたり紛失したりする。専用のカード入れを設けてカードを管理し、「備品を使ったらその日のうちに払出処理する」をルール化する。
🔧 現場の同志たちへ
「後でやろう」が積み重なって、気づいたら山になっていた。
そんな経験、私だけじゃないはずです。
250件という数字は正直へこみましたが、これを「見える化できた」と前向きに捉えて、一つひとつ潰していきます。
泥臭くても、地道にやるしかない。一緒に頑張りましょう。

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