突発的な設備停止を知らせるサイレン。
現場のリーダーや保全マンにとって、一番胃が痛くなる瞬間ですよね。
皆さんの現場でも、焦ってやみくもに部品を交換し、迷宮入りした経験はありませんか?
設備トラブルの対応で最も重要なのは、確実な「切り分け」の「手順」です。
この記事では、若手が陥りがちな失敗と、私が現場で実践している解決のヒントをお伝えします。
明日からの故障診断が、劇的にスムーズになるはずです。
焦りが生む「部品交換ガチャ」の罠と、設備トラブルのリアル
「とりあえず、このセンサー変えてみます!」
アラームが鳴り響く現場で、若手によくある光景です。
彼らは調査もそこそこに、リレーやセンサーを次々と新品に交換し始めます。
ひどい時は、高価なシーケンサ(PLC)基盤やインバータまで疑い出す始末です。
私はこれを現場の「部品交換ガチャ」と呼んでいます。
焦る気持ちは痛いほど分かりますが、これでは原因は特定できません。
最悪の場合、関係ない配線を触って二次被害を生むこともあります。
試行錯誤と現場での葛藤(なぜいきなり交換してしまうのか)
なぜ、こんな当てずっぽうの対応をしてしまうのでしょうか?
それは、「早く直さなきゃ」というプレッシャーに押しつぶされているからです。
そして何より、彼らの中に「切り分けの手順」という確固たる指針がないのです。
いきなり「壊れている場所(異常)」をピンポイントで探しに行こうとします。
しかし、複雑な機械の中でいきなり異常を見つけるのは至難の業です。
私自身も昔は、思いつくままに部品を替えても全く直らず、『一体どうなってるんだ…』と迷宮入りして途方に暮れた経験があります。
解決の糸口!設備トラブルを確実に解決する「切り分けの手順」
悩んだ末に私が行き着いた鉄則は、「どこまで正常か」を確認することでした。
異常を探すのではなく、正常な範囲(陣地)を広げていくのです。
設備トラブルにおける切り分けの手順は、以下の4ステップに集約されます。
①現場の機器は動作しているか(ランプ点灯やモーターの唸りを確認)
②PLCの入力は入っているか(現場からの信号が電気室に来ているか)
③PLCの出力は出ているか(動作条件が成立し、出力命令が出ているか)
④出力先が動いているか(命令が出ているのに動かないなら配線かマグネット等)
たとえば、ある台車が前進しないトラブルがありました。
調べてみると、電気室のPLCからは「前進しろ」という出力(ON)が出ています。
この時点で、電気室側(ソフトや入力)は「ほぼ正常」だと切り分けられます。
結果的に、現場への配線断線が原因だとすぐに特定できました。
また、ポンプが頻繁に過負荷停止するトラブルもありました。
電流を測ると確かに定格をオーバーしていますが、電気的な異常ではありません。
現場を確認すると、吐出バルブが全開になっていたための過負荷運転でした。
バルブを少し絞るだけで電流値は下がり、「設備条件の問題」だと分かったのです。
このように「現場側か、電気室側か」を半分に割ることができれば、調査範囲は激減します。
💡 読者の現場でも使える!今日の「保全の現場知恵袋」
・「入力 → PLC → 出力 → 現場機器」の順で追う 当てずっぽうを辞め、必ず信号の流れに沿って調査を進めましょう。
・常に「どこまでは正常か?」を自問自答する 壊れた場所を探す前に、「ここはシロ」と言い切れる範囲を確実に広げてください。
・テスターを当てる前に部品を変えない 「部品交換ガチャ」は禁止です。必ず電圧や電流を測ってから判断する仕組みにしましょう。
🔧 現場の同志たちへ
焦っている時ほど、基本に立ち返る勇気が必要です。 「どこまで正常?」というたった一つの問いかけが、若手をパニックから救い、あなた自身の負担も軽くしてくれます。共に現場を支えていきましょう!

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