「図面の電子化」よりも難しい、人の「マインド」のアップデート

「AIを使えば、もっと現場は良くなるはずだ」 そんな期待を胸に日々模索していますが、ふと外の世界に目を向けると、その進化の速さに圧倒されることがあります。DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速する他社の事例と、目の前の「変われない」現場のリアル。そのギャップに揺れるリーダーとしての本音を記録します。


「他社の当たり前」が突きつける、DXの威力

最近、私の頭の中はAIをいかに保全業務に活かすかでいっぱいですが、先日、他社の製造現場ではすでに「電気図面の電子化」が当たり前のように進んでいるという話を聞きました。

一部の先進的な現場では、分厚い図面集を抱えて走り回る姿はもう過去のものだそうです。

  • タブレット一つで、膨大な図面データにアクセスする
  • 検索機能で、必要な情報を「秒」で引き出す
  • 現場で即座に情報を共有し、復旧時間を短縮する

この「図面探しの能力」が段違いに向上している現実を知り、正直、強い危機感と同時に「これこそが目指すべき標準なんだ」と再認識させられました。

便利な道具の前に立ちはだかる「人の壁」

しかし、そんな前向きな刺激を受けた直後、私の心に冷や水を浴びせるような出来事がありました。メンバーであるN君の、仕事に対する姿勢です。

他社がデジタルを駆使して一歩先へ進もうとしている一方で、足元の現場では「面倒なことは人任せ」「自分がいかに楽な方に流れるか」という、停滞した空気が漂っている……。

「どれほど優れたツールを導入しても、結局は使う側のマインドがこれでは、現場は一ミリも進化しないのではないか」

外の世界のスピード感を知ったタイミングだっただけに、彼の「責任を避けるような姿勢」に、いつも以上のモヤモヤと苛立ちを感じてしまいました。

リーダーとしての葛藤:正論と伝え方の間で

思わず強い口調で指導してしまった自分に対しても、少しの後悔が残っています。「言わなければ変わらない」のは事実ですが、強く言い過ぎて心が離れてしまっては、本当の意味での「改善」には繋がりません。

デジタル化やAI導入という「目に見える進化」の影で、本当に私たちが向き合うべきなのは、こうした「人の姿勢」という、泥臭くて正解のない課題なのだと痛感しました。

どうすれば責任を分担し、彼の中に「自ら現場を良くしよう」という芽を育てられるのか。道具を新しくする議論の前に、このマインドのアップデートという難題に、もう一度じっくり向き合っていこうと思います。


今回の「トヨタ思考」的気づき

【自働化(ニンベンの付いた自動化)の原点】 他社がどれほど「自動化」や「デジタル化」を進めていても、トヨタ生産方式が大切にするのは、そこに人の知恵や意志が宿る「自働化」です。図面の電子化という便利な「道具」を活かせるかどうかは、最後は「人」の責任感に委ねられます。技術という「道具」の導入と、人の「意識」の変革。この両輪を回すことこそが、保全リーダーとしての真の役割だと気づかされました。

同じ現場リーダーのみなさんへ

他社の成功事例を聞くと、自分の現場の足踏み状態に焦ってしまうこともありますよね。でも、ツールを入れるのは一瞬ですが、人を育てるには時間がかかります。

「道具」に頼り切るのではなく、それを使う「人の心」をどう耕していくか。地道な作業ですが、これこそが現場を支える私たちの、一番大切な仕事なのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました