毎年恒例の予備品の棚卸し。「なんでこんなに見つからないのか…」と頭を抱えながらリストと睨めっこする日々は、きっと多くの現場リーダーが経験していることと思います。 当現場でも、先週から約4500件の棚卸しを進めていますが、一通り終わった段階で約100件の「行方不明」が発生しました。 今日は、その消えた部品たちを捜索する中で見えてきた現場のリアルな課題と、「一気に完璧を目指さない」これからの改善方針について、私の備忘録も兼ねてお話ししたいと思います。
消えた100件の部品と「見えない」現場
未発見だった約100件の部品。現場を這いつくばるように再調査した結果、なんとか3分の2ほどは救出(発見)することができました。 しかし、なぜ最初の棚卸しで見逃してしまったのでしょうか?原因を探っていくと、現場の「見えにくさ」が浮き彫りになってきました。
- 重なりと死角: 物が重なっていて下にあるものが見えない、棚の奥深くに押し込まれている。
- 置き場の不一致: 本来2階にあるべき部品が、なぜか1階に置かれている。データ上の保管場所(電気室や整備工場など10箇所以上)と、実際の置き場がズレている。
「そこにあるはず」という思い込みと、物理的に「見えない」状態が重なることで、見逃しは必然的に起きていたのです。まずは、この「データと現物のズレ」を正すことが、次回の棚卸しに向けた第一歩だと痛感しました。
ルールとシステムの「見えない」落とし穴
物理的な見逃し以外にも、思わぬトラップがありました。
一つは**「基準日」のズレ**です。 今回は2月末時点の在庫リストを基準にしていますが、3月に入ってから設備の故障などで部品を使用するケースがあります。すると、「現物はない(使ったから)」のに、リスト上は「あるはず(未発見)」としてカウントされてしまうのです。このタイムラグによる認識のズレが、ムダな捜索時間を生んでいました。
もう一つは、システムの通信トラブルです。 現在、携帯電話でバーコードをスキャンしてデータを送信するシステムを使っていますが、現場には電波の悪いエリアが存在します。担当者は「スキャンして送信したつもり」でも、実際にはデータが飛んでおらず「未棚卸し扱い」になっていたケースが散見されました。
4500件の壁。だからこそ「一気にやらない」
置き場の不一致、見づらい配置、そしてルールのズレ。課題は山積みです。 しかし、管理すべき部品は約4500件。これを今のマンパワーで「明日から全部綺麗に整理整頓(5S)しよう!」と意気込んでも、必ず途中で挫折します。
だからこそ、私は**「一気にやらない」**と決めました。 まずは、よく使う部品や、出入りの激しい部品など、動きの多いものから少しずつ整理し、データと現物を合わせていく。完璧を求めて息切れするよりも、小さくても確実な改善を積み重ねる「未完成なアプローチ」が、今の私たちの現場には合っていると感じています。
今回の「トヨタ思考」的気づき
「異常がすぐにわかる状態(見える化)」と「優先順位づけ」
物が重なっていたり、違う場所に置かれていたりするのは、「正常と異常の区別がついていない」証拠です。必要なものがすぐに取り出せる「整頓」ができていないことで、棚卸しという作業に大きな「探すムダ」が生じていました。 また、4500件すべてを均等に扱うのではなく、「よく使うものから手をつける」という優先順位の考え方は、限られたリソースで最大限の効果を出すための重要なアプローチです。一歩ずつ、「異常がひと目でわかる現場(見える化)」へと育てていこうと思います。
読者(同じ現場リーダー)への一言
今回、もう一つ頭を悩ませているのが「電波の悪い場所でのシステム送信問題」です。 現場の力だけではどうにもならず、システム担当者の協力が不可欠ですが、他部署を巻き込むのってパワーがいりますよね。「どう伝えれば、現場の困りごとに共感し、動いてもらえるか」。これもまた、リーダーとしての腕の見せ所(そして大きな悩み所)です。 皆さんは、他部署への改善依頼、どんな工夫をしていますか?完璧じゃなくても、泥臭く一緒に現場を良くしていきましょう!お互い、今日もお疲れ様でした。

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