【続・カメラトラブル】原因は特定できた。でも「すぐ工事」には踏み切れない現場の葛藤

昨日の記事でお伝えした、ある操作室の「監視カメラを新品に交換したら、4分割モニターで真っ暗になってしまう」というトラブル。本日はその続編です。

昨日立てた仮説に基づき、今日は現場から離れた電気室での「直結テスト」に挑みました。結果として原因の切り分けは大きく前進したのですが、同時に「コスト」と「工事の手間」という新たな壁にぶつかっています。

「原因が分かったなら、さっさと直せばいいじゃないか」——現場を知らない人はそう言うかもしれません。しかし、安易な手段に飛びつかず、ギリギリまで検証を重ねる泥臭さこそが現場のリアルです。今日もまた、解決に至るまでの「未完成」なプロセスをお届けします。

仮説の検証。「直結」で見えた事実

昨日の時点で、新品のカメラ本体の不良設定の線は薄いと考えました。そこで残された可能性である「既存の長い配線(ケーブル)」の影響を確かめるため、今日は若手メンバーと共に、電気室にある4分割表示機にカメラを直接繋いでみる**「直結テスト」**を実施しました。

カメラを小脇に抱え、配線を経由せずに短いケーブルで装置に直結してみる。 結果は……見事、4分割表示でも綺麗に映像が映し出されました。

この瞬間、「機器同士の相性」や「カメラの初期不良」という疑いは晴れました。単画面で映り、4分割を通すと真っ暗になっていたのは、現場から電気室までを繋ぐ**「長い配線のどこか(または長さそのもの)」に問題がある**という事実が確定したのです。

一つひとつの事実を積み上げ、原因の範囲を絞り込んでいく。トラブルシューティングにおける「切り分け」が成功した、嬉しい瞬間でした。

「原因=即交換」とはいかない、現場のリアルな壁

しかし、手放しで喜んでばかりもいられません。 「配線が原因だと分かった。じゃあ、ケーブルを新しいものに張り替えよう!」と、スムーズにいけば良いのですが、現場はそう簡単ではないのです。

操作室から電気室までの距離は長く、ケーブルの敷設経路も複雑です。これを引き直すとなれば、それなりに大規模な工事となり、当然ながら無視できないコスト(費用と時間)が発生します。

保全リーダーとして、安易に「原因が分かったので大きな工事をお願いします」と上に決裁を回すのは簡単です。しかし、それは本当に「今取るべき最善の策」なのでしょうか?

急がば回れ。メーカーへの確認と明日の「仮設テスト」

「大きなコストをかける前に、まだできることはないか?」 この自問自答から、今日はすぐ工事の手配をするのではなく、一旦立ち止まることを選びました。

まず、念のため分割装置のメーカーへ「長い距離を通した際に、同期信号などが減衰して真っ暗になるような仕様・事例がないか」を問い合わせ、現在は回答待ちの状況です。

さらに明日は、**「仮の長いケーブル」**を用意して、床を這わせた状態でテストしてみる予定です。 既存のケーブルの「経年劣化による断線やノイズ」が原因なのか、それともそもそも「距離が長すぎることによる信号の減衰」が原因なのか。もし後者であれば、ただケーブルを新品に交換しても再発する恐れがあります。

遠回りのように見えますが、石橋を叩いて渡るこの検証作業が、結果的にムダなコストと労力を防ぐのです。


今回の「トヨタ思考」的気づき

【「なぜ」の深掘りと、コスト(ムダ)への意識】

トヨタ生産方式における「5つのなぜ(なぜを5回繰り返す)」の精神は、こうしたトラブル対応でこそ生きてきます。

「映像が映らない」 →なぜ?「配線に問題があるから(今日判明)」 ここまでは来ました。しかし、ここで思考を止めて部品を交換してしまうのは早計です。

→なぜ配線に問題があるのか?「劣化か? 距離による減衰か? ノイズ干渉か?」 このもう一段階深い「なぜ」を突き止めるために、明日の仮設テストがあります。事実をしっかり固めずに思い込みで工事(投資)を進めてしまうのは、大きな「ムダ」を生むリスクを持っています。**真因を掴むまでは、安易にお金を使わない。**これもまた、現場改善の重要な思考法です。


読者(現場リーダー)への一言

トラブルの原因が特定できた瞬間って、早くスッキリしたくて「えいや!」と安易な解決策(部品の全交換など)に走りたくなりますよね。

でも、そこでグッとこらえて「本当にそれが最善か?」「別の要因は隠れていないか?」と自問自答できるのが、優れたリーダーの証だと思います。すぐに解決しなくても焦る必要はありません。遠回りに見える地道な検証テストこそが、チームの技術力を底上げし、将来のムダを防ぐ大きな一歩になります。明日も一緒に、泥臭く現場の「正解」を探していきましょう!

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