「壊れたら、また新しい部品に交換すればいいですよね?」
現場のメンバーからそう言われて、頭を抱えた経験はありませんか?
トラブルの真因を探らず、表面的な復旧だけで終わらせてしまう。
そんな「対症療法」が当たり前になると、現場はいつか大きな代償を払います。
今回は、ある大型設備のブレーキトラブルで私が直面した「ヒヤリとする事実」をお話しします。
この泥臭い未完成の記録が、メンバーの意識改革に悩むリーダーのヒントになれば幸いです。
1. 見えない異常。試運転では気づけない「静かなる進行」
休日に発生した、ある大型クレーンの「ブレーキが開かない」というトラブル。
調査を進めると、ブレーキ用ブレーカーがトリップし、マグネットが焼損していました。
部品を新しく交換すると、一旦は正常に動くように見えます。
しかし、時間が経つと電圧が落ち、再びブレーキが閉まってしまう不安定な状態が続きました。
さらに調べると、ブレーキコイルの抵抗値が正常な設備の約5分の1まで低下していました。
これは明らかに異常であり、ブレーキ本体の不良が疑われる緊迫した事態です。
2. なぜ半年も放置されたのか?「動けばOK」の落とし穴
原因をさらに深掘りして、私は背筋が凍る思いがしました。
過去に別の担当者が部品交換した際、補助接点(A接・B接)を逆に取り付けていたのです。
本来なら「強励磁」と「弱励磁」が切り替わるはずが、常に強励磁のままになっていました。
約半年もの間、ブレーキコイルに過負荷がかかり続け、じわじわと寿命を削っていたのです。
なぜ、過去の交換時の試運転で誰も気づけなかったのでしょうか?
それは「とりあえずブレーキが開閉して動いているからヨシ」という確認しかしていなかったからです。
3. 形骸化した会議を変える。「自分ごと」にさせる問いかけ
「壊れたら交換すればいい」という意識では、この手のミスは永遠に防げません。
誰でも確実な確認ができるよう、標準作業の仕組みを見直す必要があります。
そして何より、現場のメンバー全員に「真因を考える癖」をつけてもらうことが急務です。
私は以前、形骸化して「報告を読むだけ」になっていた故障フォロー会議を思い出しました。
今回の接点ミスの事例は、ただ結果と対策を読み上げるだけでは全く意味がありません。
「部品交換後、単なる動作確認以外に、本当に確認すべきことは何だと思う?」
そんな質問形式を取り入れ、メンバー自身に対策を考えさせる場に変えていく決意をしました。
💡 読者の現場でも使える!今日の「リーダーシップ・人づくり」
- 「動く=正常」の思い込みを捨てる標準化 部品交換後は表面的な動作だけでなく、「制御(強・弱など)が正しく切り替わっているか」までをチェックリストに組み込み、属人化を防ぐ。
- 報告会を「クイズ形式」に切り替える トラブル事例を共有する際、結論を先に言わず「なぜ起きたと思う?」「どう防ぐ?」とメンバーに問いかけ、意見を出させて「自分ごと」にする。
🔧 現場の同志たちへ
「なぜこんなミスに気づかないんだ」と嘆く前に、気づける仕組みと、考える場を作りましょう。泥臭い日々のトラブル対応も、見方を変えれば最高の「人を育てる教材」になります。明日もご安全に!

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