423冊の壁。図面電子化プロジェクトは「完璧なスキャン」を捨てることから始まる

トラブル対応のたびに、 分厚いファイルをめくって図面を探す時間。

これをなくすべく、 現場ではいま「図面の電子化プロジェクト」を構想しています。

しかし、いざ整理を始めると、 「全423冊」という途方もない現実が立ちはだかりました。

すべてをきれいに、完璧にデータ化しようとすると、 確実に途中で挫折してしまいます。

今日はまだ具体的な進展はありません。

ですが、この巨大な壁をどう乗り越え、 その先の「AI活用」にどう繋げていくか。

現場リーダーとしての生々しい試行錯誤と、 現在の「未完成な作戦」を書き留めておきます。

「丸投げ」でも「自前主義」でもないハイブリッド戦略

現在、外部業者に電子化を依頼した場合の費用を問い合わせ、 回答を待っている状態です。

金額次第ではありますが、 基本方針は**「ハイブリッド方式」**でいこうと決めています。

すべてを業者に丸投げすれば楽ですが、 コストが跳ね上がってしまいます。

逆にすべてを自分たちでやろうとすれば、 現場の負担が大きすぎて本末転倒です。

そこで、大きなサイズの図面など、 自社設備で扱いづらいものは業者にお願いする。

それ以外は、社内でコツコツ進める。 このバランスが現実的だと考えています。

優先順位も明確にしました。

我々電気保全が、トラブル対応で真っ先に見る 「展開接続図(機器の動作順序などが描かれた電気図面)」や「取扱説明書」。

現場が一番欲している情報を最優先で電子化し、 まずは**「タブレットで図面が見られる便利さ」**を、 メンバーに体感してもらいたいのです。

「1冊2時間」の罠。最初から完璧を目指さない

しかし、ここで大きな課題にぶつかりました。

図面ファイルの中身は、電気図面だけでなく、 運転方案、単線系統図、試験記録、機器の外形図など、 多種多様な資料がごちゃ混ぜになっています。

これを「区分ごとにきれいに分けてからスキャンしよう」と試算したところ…… なんと、1冊仕上げるのに2時間以上かかることが判明しました。

全体で423冊。 計算するのも嫌になるほどの時間です。

そこで、考え方を変えました。

「スキャンの段階で完璧に分ける」のをやめることにしたのです。

まずは細かく分類せず、 複合機で一括スキャンしてPDF化してしまう。

そして後から、パソコン上で編集ソフト(Adobe Acrobatなど)を使い、 必要なページだけを切り出したり整理したりする。

前工程(スキャン)の負担を極力減らし、 後工程(データ編集)で整える作戦です。

ただの画像で終わらせない。OCRとAI活用への野望

実は、この「とりあえず一括スキャンして後から編集」という作戦には、 もう一つの狙いがあります。

ただ図面をPDF化しただけでは、 パラパラめくる作業が画面上に移っただけで、 検索ができない「死んだデータ(ただの画像)」になってしまいます。

ここで導入したいのがOCR(光学式文字認識)技術です。

スキャンしたPDFにOCR処理をかけ、 図面内の「文字」をデータとして読み取れるようにします。

そうすれば、トラブル時に「〇〇リレー」「エラーコード番号」などの キーワードを入力するだけで、 一発で該当箇所を検索(Ctrl+F)できるようになります。

さらに先々の野望としては、 テキスト化された取扱説明書や図面データを、 セキュアな環境の生成AIに読み込ませて……

**「うちの現場専用のAIアシスタント」**を作れないかと妄想しています。

「このアラームが出たら、どこをチェックすべき?」

そうAIに聞けば、過去の知見とマニュアルから、 該当するページを即座に提示してくれる。

そんな未来を描けば、目の前の面倒なスキャン作業も、 **「未来のAIアシスタントを育てるための教材作り」**と思えてきませんか?

チームで分業し、走りながら考える

作業の効率を上げるために、 「スキャンする人」と「パソコンで編集・OCR処理をする人」の 分業体制をとることも検討しています。

現在、この進め方について同僚と相談を重ねています。

私一人で完璧な計画を立てるのではなく、 部署全体に「こんなやり方で進めようと思うけど、どうだろう?」と共有し、 みんなのアイデアを取り入れていきたいからです。

まだ計画段階の「未完成」なプロジェクトですが、 みんなで知恵を出し合いながら、 少しずつ現場を良くしていきたいと思います。


今回の「トヨタ思考」×「AI実践」的気づき

「完璧な準備」より「粗削りでも流す」×「探すムダの排除」

最初からきれいに分類しようとするのは、 一見正しいようで、実は**「過剰品質のムダ」**です。

まずは一括スキャンしてデータを「流す」こと。

そして、単なる画像ではなくOCRで「検索可能な状態」にし、 「探すムダ」を徹底排除することが現場DXの第一歩です。

最初から100点を目指さず、 まずは60点で回し始め、やりながら改善していくのが現場流です。


読者(同じ現場リーダー)への一言

あなたの現場にも、 「やらなきゃいけないのは分かっているけれど、量が多すぎて手が出せない」 そんな業務はありませんか?

そんな時は、工程を分けて、 **「まずは大雑把にやってみる」**のがおすすめです。

その泥臭い作業の先にある「ちょっと未来の便利な現場」を想像しながら、 一緒に「未完成」から始めてみましょう!

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