1つの部品探しに30分!? 4,500件の在庫に悩む保全担当者が気づいた「管理を手放す」という特効薬

「在庫が多すぎて、何から手をつけていいか分からない…」 「人手不足なのに、毎年の棚卸しにかかる負担が増える一方だ…」

工場や現場の保全担当者で、このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか? 実は私もその一人でした。現在、約4,500件もの貯蔵品を管理しているのですが、先日の棚卸し後の処理で、在庫管理の「闇」に直面しました。

今回は、膨大な在庫に押しつぶされそうになっていた私が気づいた、現場の負担を劇的に減らすための「引き算の在庫管理」についてお話しします。

1つの部品探しに30分。原因は「台帳と現場のズレ」

先日、帳簿に登録されていない約90件の部品を再登録し、管理カードを現物に取り付ける作業を行っていました。

そこで事件は起きました。制御盤室にあるはずの、たった1つの部品を見つけるのに30分以上もかかってしまったのです。

原因は明確でした。「貯蔵品カードに書かれている棚番と、実際の保管場所が異なっていた」からです。大まかな部屋の場所は合っていても、「どの棚の、どの段にあるか」がズレていれば、4,500件の海の中から目当ての部品を探し出すのは至難の業です。

改めて、「どこに何があるか」という保管場所の精度を上げることの重要性を痛感しました。しかし、課題はそれだけではありませんでした。

「ちゃんと管理する」から「管理対象を減らす」へのパラダイムシフト

保管場所を整えることと同じくらい、いや、それ以上に深刻だったのは「管理対象(物量)そのものが多すぎる」ということでした。

当初は、スイッチやリレーといった細かい部品単位まで、すべてを几帳面に貯蔵品登録していました。しかし、スタッフからのある一言でハッとしました。 「他の製造所と比べて、うちの貯蔵品の数は異常に多いですよ」

人手不足が叫ばれる中、すべてを完璧に管理しようとすれば、一人ひとりの負担が増加するのは当然です。「システム通りにキッチリ管理しなければ」という思い込みが、自分たちの首を絞めていたのです。

そこで、スタッフからの助言も受け、私たちは一つの大きな決断をしました。 それは、「安価な細かい部品(10,000円以下など)は、貯蔵品の厳格な管理対象から外す」ということです。

明日からできる小さな一歩:まずは「一番動く棚」から始めよう

「ウチも在庫が多すぎるけど、どこから手をつければいいか分からない…」という方は、すべてを一度にやろうとしないでください。

まずは、以下のステップで「小さな一歩」を踏み出してみることをおすすめします。

  • ステップ1:出入りの激しい「一軍の棚」だけをターゲットにする いきなり倉庫全体を片付けるのは不可能です。まずは、日常的によく使う部品が置かれている棚(一番出入りの多い棚)に絞って、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を進めましょう。
  • ステップ2:スタッフと相談し「少額品の払い出し」のルールを決める 「10,000円以下の細かな部品は対象から外す(まとめて払い出し処理をする)」など、管理を手放す基準をチームで話し合ってみてください。

在庫管理の最大の目的は「綺麗に並べること」ではなく、「必要な時にすぐ取り出せて、本来の保全業務に集中できること」です。

「管理しきれないものは、思い切って管理を手放す」。 在庫の多さに悩んでいる方は、ぜひ明日、一番よく使う棚の前に立って「これは本当に厳重な管理が必要な部品か?」と問いかけてみてください。

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